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医師生活

医局ってなに?

みなさん、「医局」って聞いたことありますか?医療ドラマでもたまにでてくる言葉かなと思います。医療業界に多少なり関わったことがある方は必ず聞いたことがあることでしょう。

この「医局」っていうのは果たしてなんなんだという疑問をもたれている方も多いと思います。

実際、医療業界でも医者以外には関係がない言葉なので看護師さんでも「なんとなくわかるけど結局よくわからない」という声を耳にしたこともあります。

今日はその「医局」について解説したいと思います。

医局ってなに?

普通の会社員の方にはなじみのないこの「医局」システム。

医者の世界では王道ルートなんです。いわゆる「白い巨塔」ですね。

医局というのはいうなればグループ、団体です。医学部をもつ各大学にはそれぞれの科の「教室」というのがあります。例えば「耳鼻咽喉科学教室」「消化器外科学教室」「神経内科学教室」「循環器内科学教室」などなどです。

この各教室のことを総称して「医局」といいます。「うちの医局は~」などというように他科、他大学の先生と話すときに使います。まぎらわしいのですが普通の医師控え室を「医局」と呼ぶこともありますが、今回は前者の医局について解説します。

医局ってどこにあるの?

上述のように医局は団体のことを指しますが、その本部は大学にあります。

教授たちは基本的に大学内の○○学教室とかかれた部屋の一室に教授室を持っています。それらの部屋が医局の本部ということになります。

(日本では建物の1フロアのうちの一角が一教室ですが、アメリカでは一教室が一建物でした。土地が広いってすごい違いだな、と突き付けられました笑)

医局にどうやって入るの?

医師免許があり、「入りたいです」と連絡すれば入れます。入局する人の多くは、入局説明会に参加し研修の後半に入局宣言をして医局員になります。

会社と違って個人と医局の間になんの雇用契約もありませんので入局といっても本当に口約束です。

ただし狭い世界なので冷やかし半分に入ることは到底無理ですし、医局の掛け持ちなどもできませんのでご注意ください。また多くの医局では医局費と呼ばれる会費を支払う必要があります。

医局の役割は?

大学にあるのでメインは研究です。

しかし昔ながらの慣習で「関連病院」というのがあり、大学にいない医局員はその関連病院のうちの一つに勤務します。その人事を決めるのも医局です(正確には教授と医局長)

関連病院ってなに?

各医局は医局員の派遣先としていくつかの病院と提携しています。

首都圏以外は特に、大きな病院はどこかしらの大学の医局に属しています。

例えば「この病院は全科でA大学の医局派遣」というところもあれば、「内科系は全部A大学。外科系はB大学」という場合や「消化器内科はA大学、循環器内科はB大学、脳外科はC大学」というように各科によって属する医局が違う病院もあります。

そのため、「○○大学○○教室の関連病院はD病院、E病院、F病院です。」というように大体ホームページに表示しており、それを参考にして医局を検討することも多いです。

なぜなら多くの若手医師はそれらの関連病院を2つ以上勤めることになりますので自分が将来どこらへんで働く可能性があるか、というのを検討つけるのに有用だからです。

医局の構成

教授、准教授、講師、助教、医局員(平社員のこと)の序列になっていることが多いです。

教授

教授選という選挙に勝った人のみが教授になれます。なるためにインパクトファクター(impact factor: IF)といわれる“どれだけいい論文に関与したか”という指標や、人望、政治力などが必要と言われています。

また教授選に立候補して負けた場合は、基本的には退局したり数年間、別地域に移住したりする場合が多いです。

医局長

数年に一度、大体ある程度の期間を大学で過ごした人の中から選ばれます。大体35~45歳くらいの人がなることが多い印象です。医局長は医局のあらゆる行事や雑務を取り仕切ります(教授にお伺いをたてながら)

准教授、講師、助教

准教授、講師、助教の方々は、研究を継続したり、研究や臨床の指導をしたり、学生に授業をしたりしています。

医局に入るメリットは?

知り合いが増える  

知り合いが増える分、いろんな働き方をみることができます。また単純に友人のようなつながりができる人に出会う確率も上がります。

コネができることがある  

例えば留学にいきたい、という希望があったとして、その医局が例えば「アメリカの○○大学の○○教授の教室に毎年医局員を派遣している」という事実があれば、自分もその一員に選ばれる可能性があるということです。

この「医局のコネで留学」というのは医師の留学の中で最も簡単なルートなので留学にいきいたい方は検討してもいいかもしれません。

就活しなくていい 

「医局人事」というものが毎年発表されます。雇用契約がないのに人事権があるという企業からすると驚きの状態が医局です。笑 希望を尊重してくれる医局もあれば、希望は通らない医局もあったりでそれは様々ですが、いずれにしてもどんな条件でもOKならば就職先は用意してくれます。(当直なしがいい、パートタイムがいい、かつ専門医に必要な単位がとれる病院がいい、などの希望があれば「そんな病院用意できないよ」、となる可能性もあるということです。)

有名病院で働ける 

大体多くの有名病院は医局派遣です。自分で就活してポストを得て、というのが全く不可能というわけではないですが病院によっては医局員のみと決めていたりするので就職のタイミングで入局を迫られたりします笑すでに入局している医師にとっては大きな病院である程度質の担保された教育を受け、症例も経験できるシステムです。そして1つの病院だとある程度くる病気は限られますが、異動することで万遍なくいろんな症例を経験できます。

医局に入るデメリットは?

勤務先を決められない 

医局人事で動くので、希望が必ず通るわけではないので場合によっては希望したエリアにいられないこともあります。国立大学の医局では昔の派閥争いの結果なのか、関東の大学なのに九州に関連病院がある、なんてこともあるのでそこそこ死活問題です。(大企業ではよくある話ですよね、きっと)どのように人事が決められているのか、関連病院はどこにあるのか、は事前に確認しておいた方がいいです。また人事は人が決めているのである程度感情で変わってくることは間違いないでしょう。そこは会社員の出世と同じようなところがあるかと思います。

異動するのでボーナスが上がらない 

これは若手ではよくある支障です^^; 先ほどお伝えした通り、医局と各医師は雇用契約をしているわけではなく、雇用契約は各病院と結ぶことになります。異動の度に入職、退職を繰り返すのです。

そのため、異動が多い医者10年目くらいまではボーナスが上がらないこともままあります。基本給は医師年数に応じて変わるところが多いので異動での支障は少ないでしょう。半年毎に異動という医局ではボーナスがそもそも受取れないかもしれません・・・!!! 

医局費がかかる 

私の周りでは安くて月額0円、高くて2万円で、多いのは5000円でした。各医局により変わります。

医局行事がある 

これはデメリットとは言い切れませんが、面倒と思う人にとってはデメリットです。笑 医局によって旅行にいったり忘年会をしたり、納涼会をしたりと様々です。またそれにかかる費用もさまざまです。

医局に入らなければいけないの?

医局に入らない道もあります。

その場合は各病院に自分で就活し、雇用契約を結びます。

医局を抜けて、この道に進む方もいれば、初期研修直後に後期研修医として一つの病院に入職し、そのままスタッフとして居続ける(ポジションがあれば)、という医師もいます。

ただしエリアによってはそのように対応している病院がないエリアもあるようです。

いかがでしたか?医局のことが少しお分かりいただけたでしょうか??

他にも「こういうのが知りたい」というのがあればお聞かせください。わかる範囲でお答えします!

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