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医師生活

医師の産休、育休事情

皆さん、女性医師の産休、育休事情ってご存知ですか?

なにせこの女性医師の育休復帰については私が学生の頃は全然情報が入らずに、将来のイメージを描けず不安を感じていました。

そこで今回は実際、何歳くらいで産んでるのか、キャリアはその後どうなっているのか、保育園事情は?などについてお話ししようとおもいます。

将来医師になりたい方やそのご家族、これから妊娠出産を考えている女性医師、その家族、またこれまで支援経験のない病院の上司の方々などは是非ご覧ください!

医局のシステム

まず最初に、私は医局に属しています。

医局についての詳細はこちら

その人事は教授と医局長により人事が決まります。

「来年は○○病院に行ってください」というやつですね。

そして医局を通じてその○○病院には私が来年から入職することが伝えられるので、私は特に何もすることなく、入職手続きの書類が届きます。(病院によっては形ばかりの面接、履歴書提出などありますが落ちるということはありません。医局が決定したことなので。)

そして今勤めている病院には退職の手続きをして、新しい病院に入職する。これがいわゆる医者の「人事」です。

大体医者10年目前後にもなるとこういった「医局ローテ」からはずれてそのときいた病院にそのまま居続ける、というのが一般的です。

産休・育休の取り方

自分の妊娠・出産時に所属していた病院先次第で扱いは大きく変わりうります。

多くは上司や周りの方との人間関係次第、といったところでしょうか。

そのまま普通の会社の産休・育休のように、籍をおいた状態で全ての手当てをもらえることもあれば、いったん退職扱いとなり、無給で産前産後を過ごし、再雇用という形になることもあります…! 

これは普通に考えれば不当な扱いですが、こういうことが未だによくあるのがこの世界の現状です。

もしくは退職したのちに別の病院に就職、という場合もあります。まとめると以下の通りです。

  1. 産休・育休を普通に取得。産休前の病院でそのまま復職
  2. 産前に退職。その後同じ病院に再雇用。
  3. 産前に退職。その後別の病院に入職。

私の場合は③でした。

退職した場合は産休・育休手当がもらえずに金銭的につらい思いをします。

ただ、私の場合は産休・育休をとると私の雇用枠に誰も補充されず、周りに迷惑をかけて精神的につらいかなあと思ったのと、忙しい病院にいたのでこのまま忙しく働き続ける気合はないなぁと思って退職しました。

退職した場合にもらえる可能性がある手当ては失業保険です。

これは産前産後休暇が明けたのちに、ハローワークで申請をし、月に2回ほどの就職面接などを3ヶ月ほど続けて3ヶ月ほどにわけて支給されます。

年齢もしくは出産前の給料に準じて最大支給額が決められており、医者の場合は年齢で引っかかることが多く、大体月20万円弱でしょうか。

これも雇用保険に1年間入っていないと受給資格がないので1年ごとのローテーションでは受給資格がない可能性があります。

私のおすすめとしては①です。やはり復帰のときは元の職場の方が断然有利です。というのも育休明けは多くの方が仕事内容・仕事の仕方をやや忘れているので、パフォーマンスが落ちがちだからです。

もともとの働きぶりを知っている職場ならば受け入れられやすいでしょうし、仕事の仕方も記憶が戻りやすいでしょうから断然おすすめです。私はかなり苦労しほぼ泣きながら働いていました^^;

保活(保育園活動)はどんな感じ?

上記の①の方法でお休みをした人は問題ないことが多いかと思います。

ただし、②、③の方法でお休みをした場合は金銭的にだけでなく、保活でも苦しみます。なぜならば、自治体によるかもしれませんが多くの地域では、直近の就労実績を参照し入園の優先順位を決めるからです!

同じようにお休みしていても、①の人はフルタイム扱い、②、③は無職の扱いとなるのです…!(まあ当たり前といえばそうなのですが^^;)

そのため産前にどれだけ当直をしていても、私は最低ランクからのスタートで絶望というか憤りというか、諦めというか…という境地でした。笑

私の地域では就職内定書があれば下から1つランクが上がる、というものでしたがほぼほぼ意味なく、0歳児受け入れが比較的多い地域にも関わらず、珍しくアンマッチに終わりました笑

また私の新しい勤務先の院内保育は満員かつ常勤優先なので非常勤枠で採用の私には回ってこなさそうという状況でした。

幸い夫の勤務先の院内保育園を確保でき、新年度から復職できましたが本当に綱渡り状態でした。

なぜ一生懸命勉強して医学部に入り、一生懸命に四六時中医師として働いて子供を産んだのにこんな扱いを受けなければならないんだ、と社会に対して不満を感じました(四六時中はちょっと盛りました笑 おそらくは医局のせいですね笑)

何年目くらいでみんな出産しているの?

もちろん、何年目じゃないといけない、というのはありません。

私の周りの多くは研修医終わって専門で1~4年働いてから出産、というパターンでした。

また同時期に一回りほど年上の女性医師の方々も出産ラッシュが多く、大体医師歴15年目前後、年齢は40前後、という人が同じ医局内には多くいらっしゃいました。

その方々の多くは結婚もその数年前で、20代~30代前半までは仕事に邁進していた様子でした。

私の周りの先輩女医さんが一様に同じパターンだった理由としては

・以前は女性医師の産休・育休の理解が進んでおらずキャリアを優先した結果、その結婚・出産は遅くなった。

・そもそも20代での結婚・出産を選んだ女性医師は医局をすでにやめていたり、もしくは早々にクリニック勤務などに切り替えていて総合病院に勤務しておらず、ママドク世代との交流がない。

などが考えられ、実際には共にある程度当たってるのかなあと思います。

何歳で産むのがいいのか、それは個人の考え次第です。

身体的なことを考えると、妊娠も出産も育児もかなりの体力を要するので若いに越したことはないです。

キャリアのことを考えると、少なくとも専門分野を2年くらいしておくと復帰もある程度可能かなあと思います。

ただ、私は専門を2年してからの出産でしたが、丸々1年休んだのもあってか、復帰はかなりつらいものでした。

専門医の受験資格までにあと1~2年総合病院で勤める必要がある状態でしたが、もしかしたら専門医とれないかもしれないなあという不安も感じました。じゃあ出産前にあと何年やっていれば楽なんだ、ということについては正直わかりません笑 

専門医資格を得てからの出産だと気持ちに余裕はでるかもしれません。

もちろん再受験などの医学生の方は特に学生の間に出産するのもいいでしょうし、研修医中に出産する方もいらっしゃいます。

ただ研修医中の出産はキャリアを重視するならばおすすめはしません。多くの人はキャリアをあきらめることになっている印象がありますので。

復帰後のリアルライフ

実際に働き始めるとどんな生活ぶりなの?というのは産休、育休中のママさんの気になるところではあると思います。そこで我が家の大体の平日のスケジュールをお見せします。

6:30 起床 自分の身支度をし、子供を着替えさせてご飯を食べさせて、顔を拭いて髪を結び、歯を磨きます。Youtube様の力を随所でお借りします。

7:30 家を出る。最近は家族全員で出かけ、途中で別れて夫が保育園に送り届ける。

8:30 病院に到着。カルテをチェックし病棟業務、外来業務などをこなす。

保育園に入って間もない頃は2週間に1回くらいのペースで子供が熱発します。

それに合わせて両親どちらかが早退、欠勤します。最初の頃は熱発の度に小児科にいきましたが慣れてくると不要なんだなと思いほぼいきません。

2歳になってからは年に3回くらいのペースで熱発しています。

17:30 病院を出る。

18:20 保育園お迎え(私or夫)

(我が家は買い出し、料理は夫がしてくれています)

18:40 夕食

20:00 お風呂。お風呂から出ると保湿をし、ミルク(現在は牛乳)を飲み、Youtube様をみながら歯磨きをする。

21:00〜22:00 子供就寝(我が家は添い寝を要しますorz)(その間に夫が洗い物をしてくれています)

寝静まったら起きて、明日の保育園の準備をします。おむつ3枚ほどにスタンプで名前を印字。ビニール袋にもスタンプで名前を印字。連絡ノートに食事内容や就寝時間、その日の様子を書く(最近はスマホで書くところも多いようですが私たちの保育園は手書きです)それらを保育園バッグにいれて、その日の仕事が終了します。(大体22:00)

年齢が低い頃は20:00に寝てくれていたのでもう少し夜の時間を確保できていました。

ざっと上記のようなスケジュールでお送りしています。もちろん子供の体調不良の際には夜中嘔吐して洗濯祭りになったり、細切れにしか寝れなかったり、ということもあります。また夜泣きが2歳頃まであるお子さんもいるようです。

私は夫がかなり家事育児をしてくれているので「自分だけが家事をしている」という感覚はないですが、友達の話を聞くとまだまだ女性だけが全ての負担を背負っていることは多いそうです。

私は地方出身ですが、そこでは女性が家事、育児の一切を行うのが当たり前で(例え夫より稼いでいても、です。)、院内保育が充実しすぎていて24時間預け放題、病児保育も受け入れOKという状況なので逆に24時間容赦無く病院に呼ばれ放題で子供を連れて出勤する、と聞いて驚きました。

院内保育や病児保育の充実は有り難いですが、それはあくまでも希望したときに使えるサービスであるべきで、夜中の呼び出しを女性医師に強いるためのものであってはいけないのではないか、と個人的には思います。

そして女性が家事、育児をするのが当たり前という風潮がまだまだあることを考えると日本の男女不平等ランキングが世界153ヵ国中121位というのも納得だなあと思います。(出典:World economic forum) 

復帰後のキャリア

上記の復帰後のリアルライフを踏まえて、キャリアを積むならばこの合間をぬって勉強する必要があります。笑

個人の体力次第なのでもちろん無理なことはないですが、予想以上に無意識のうちに身体はがんばっているので、「かなり楽しているな~」くらいのタイムスケジュールがおすすめではあります。

  • 専門医取得前に出産タイプ → 専門医を得たいので有無をいわず以前と同レベルの総合病院に復職する。当直・オンコールは免除してもらえたり、日直はマストだったり、親に子供のことは全てお願いして当直含めフル復帰したり様々。
  • 専門医取得後の出産タイプ → 週数回のみでの復帰を希望する人が多いです。クリニック勤務に切り替えることも多い。しかし科によっては専門医資格維持のために総合病院で週数回働く必要がある科もあり。
  • アラフォー出産タイプ → もう仕事はいいかな、となり仕事はかなり減らして1~2歳差で第2子を産んだりする印象。

上記のは大前提として個人差はかなりあります。

上2つのタイプではその後に大学院入学する人もいたりで、キャリアとしては子供を産んだからと言って完全にあきらめなければいけないわけではありません。

疲れたな、と思ったら1年間は週2、3勤務に切り替える、なども医師はできるので自分はどうしたいのか、自分の心に耳を傾けるという習慣は大事かと思います。

今はいろんな働き方が出てきているので医局のレールや既成概念にとらわれず、自分の幸せはなんなのか、早いうちから考えておいて損はないと思います。

自分が幸せでいるために

子育てをしていく上で、最も大事なのは親が幸せでいることではないでしょうか。

親がにこにこしていると子供の情緒も安定すると聞きます。

上記のように子育て世代の多くは忙しい毎日に追われていると思いますが、可能な限り心に余裕を保つためには、仕事量を減らしたり、以前の記事で書いたように時短家電を用意しておくことも手です。

また私は水回りの掃除も委託しています。(それはまた後日書こうと思います)節約も大事ですが、これらは将来への投資、自らの健康への投資にもなると思います。

育休復帰の頃は子供もとても可愛い時期です。最初は保育園に預けると泣き叫んだりして心がはちきれそうになりますが、その分、一緒にいるときは子供と過ごす時間を十分に楽しんでいただきたいです。

まとめ

いかがでしたか?

今回は女性医師の産休、育休をメインにご紹介しました。まだまだ産休や育休と取りやすい状況にあるとは言えないのが現状かと思いますが、これから徐々にこういった環境をより良いものに変えていけるといいですよね。

これから将来、産休・育休を考えている皆さん、是非これを読んで怖がらないでください笑 

全てはなんとかなります!!

医者として生きていく道も現在はかなり広がってきているのでまあなんとかなるか、くらいに考えていただければと思います!

くれぐれも心身ともに健康に、日々の生活を少しでも楽しんでいただきたいと思います。

POSTED COMMENT

  1. はる より:

    医学部6年で将来設計を考えている者です。
    将来どうしようと彼氏と話し合う事はあるのですが、女医の出産や育児の現状を知らないため現実的な話し合いができてませんでした。
    この記事から実際を知ることが出来、大変参考になりました。
    女医が出産することはやはり簡単なことでは無いのだなと再認識しました。
    ただ、子供を授かりたいと考えているのでしっかり考えて行きたいと思います。
    教えて下さり、ありがとうございました。

    • コメントありがとうございます。少しでもお役に立てれば嬉しいです。^^
      大変なこともたくさんあるかとは思いますが、子育ても医師としての仕事も楽しいこともたくさんあるので自分のしたいことであればぜひ挑戦してみてください。

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