今日は私が最近読んだ本をご紹介します!
ハーバード大学公衆衛生大学院社会行動学学部長・教授でいらっしゃるイチロー・カワチさんの著書、
「命の格差は止められるか ハーバード日本人教授の世界が注目する授業」
という本です。
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これは公衆衛生をかじっている夫に薦められ、なんとなく読み始めましたが。想像よりずっと面白く、そして読みやすいものでした!
日本人はなぜ長寿なのか
日本といえば人口ピラミッドがひょうたん型のようになった超高齢化社会ですよね。
超高齢化社会になったため抱える問題もたくさんありますが、
考えてみれば日本はなんでこんなに超高齢になるまで生きれる社会なんでしょう?
治安がいいから?
医療制度がいいから?
この本によるといろいろな要素はあるものの、
「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」
が日本において健康に与えている影響が非常に大きいとのことです。
このソーシャルキャピタルというのはいわゆる「絆」です。
よく24時間テレビのテーマになったりしてますよね?
隣近所を信頼し、他人のお世話を焼いたり、地域での催し物をしたり、といったことをいうようです。
これは他国にはあまりみられないもののようです。
そして失くした携帯や財布が日本では見つかることが多いですよね?
これも海外では考えられないことのようです。
日本人として日本で生活していると気が付かないですよね。
日米の平均寿命の差は4年もあるそうですよ。このように国民の健康に影響を及ぼすものはなにか?という視点で本書は書かれています。
他にも印象に残ったものをざっくりご紹介します!
経済格差が不健康の源
お金持ちは健康に、貧乏は不健康になるということですね。
面白いのは、
格差の上の方の人々にも格差が広がるにつれて悪影響が及ぶ
らしいのです!
「上流」から変えていく。
健康は病院で病気を治す、といったような「下流」の対応ではなくて、
上流から働きかけることが大事ということです。
いわゆる健康増進キャンペーンのようなものは
「〇〇すると健康に悪いからやめましょう」といった人の理性に働きかけて、
合理的に納得させ行動を変えてもらう、といった類のことが多いですが、
人は理性では動かずに感情で動いている部分の方が大きいらしいのです。
つまりマクドナルドがかっこよくハンバーガーの宣伝をしているのは非常に綿密に計算された涙ぐましい成果、ということです!
考えてみればそりゃそうなのですが、健康増進キャンペーンとしては理性に訴えかけるものを当たり前と考えていました。
是非今後、健康ってカッコいい!
サラダはおしゃれだから食べる!
といった風潮を作ってくれるものを見てみたいですね。
そして患者が痩せられないのはその人のせいではないと。
環境のせいなんです。
例えば、運動しなくてもいい生活環境(車通勤、運動する場所がない、等)
不健康な食べ物のお店がすぐ近くにあること、その方が食費が浮くこと、等
その人が身を置く環境のせいで今の体型になっていると。
なるほど、なるほど。個人のせいではないんですね。
痩せられない外来患者さんにこれから優しくできそうだな~と思いました。笑
そういう意味でもこの本は公衆衛生に携わらない医師、コメディカルにも読んでもらいたいな〜と思いました。
公衆衛生を専門にしている人にとってもこの本は教科書的な本みたいなので、ご興味がある方は是非読んでみてください!^^
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